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1927年から続いている世界一長い科学実験につ…い…に...新展開

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ご存知のかたは子供のころからきっと知っている、世界で最も長く続いている科学実験「ピッチドロップ実験」に13年ぶりの変化がついにやってきそうです。

このピッチドロップ実験は「ピッチ」すなわち瀝青という、ほとんど固体にしかみえない物質が実は非常にゆっくりとだけれども液体のように流れ、したたるということを示している実験です。

漏斗に入れられたピッチは1927年の設置以来、8滴がおちただけで、最後の8度目が落下したのは2000年こと。落下の瞬間を目にした人はこれまでだれもいません。

9滴目を目撃できるか…!

この実験が行われているのはブリスベンのクイーンズランド大学で、実験を開始したのはトーマス・パーネル教授でした。

1927年に熱せられたピッチが漏斗に注がれ、それから3年たった1930年に漏斗の下が切られました。一滴目のピッチが落ちたのはそれから8年後、1938年12月のことでした。

それから1947年、1954年、1962年と一滴ずつピッチは落下しています。トーマス・パーネル教授は1948年に亡くなり、実験はジョン・メインストーン教授に受け継がれています。

そして1970年、1979年、1988年と新たな一滴が落ちており、最後の8滴目は2000年11月28日でした。

しかしこの2000年のときはビデオ機器が不調だったため、滴下の瞬間は誰もみていません。これまでの8滴の瞬間を目にした人は実はいないのです。

落ちるまでに10年ほどかかるのに、落ちる瞬間だけは1/10秒程度だからです。

そこで今回は3台のビデオカメラが24時間実験を監視しており、こんどこそピッチが落ちる瞬間を目にすることができるのではないかと期待が高まっています。

ピッチドロップ実験のライブビューは、実験のホームページから見ることができます。

また、2012年の4月から2013年までの4月を10秒にした動画も存在します。

Pitch Drop Timelapse Video (10 seconds) from School of Mathematics & Physics on Vimeo.

水の2300億倍の粘性となるとここまで不変なのかと驚きますが、固体地球という途方もない年月をかけて動くシステムも我々は知っているわけで、見た目の不変さは、真実を表しているとは限らないわけです。

この実験、自分が生きている間にあと何滴みることができるのでしょうか。たゆまない時間の流れを考えさせられます。

World’s oldest and stickiest lab study ready for drop of excitement | Guardian

(追記)

9滴目はこの記事から約一年後、まさかの「ちぎれ」でした…。

実験を継続するためにビーカーの交換を実施した。しかしこの作業中に木製の台がぐらつき、9滴目のしずくがちぎれて落下してしまった。クイーンズランド大学は、『実験は刺激的な新時代へ突入した』と発表した[4]。また実験の様子を中継するサイトのロゴもしずくが折れた画像に変更された。

でも大丈夫! 10滴目にむけて、監視サイトが立ち上がっていますので、次の自然落下は見逃しませんよ(14年ほど先の予定)。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。

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