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コナン愛あふれる「青山剛昌ふるさと館」にはもっと謎が必要:鳥取ブロガーツアーその6 #tottorip

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鳥取ブロガーツアー、二日目午後は牛骨ラーメンをいただいた香味徳からほど近い青山剛昌ふるさと館に寄りました。

名探偵コナンも好きですが、僕はむしろ「剣勇伝説YAIBA」の疾走感のある作画から入ったくちです。

青山剛昌ふるさと館は作者のルーツや作品についての展示だけでなく、作者と北栄町との交流の資料もさまざまにそろっています。

ファンなら半日はつぶせますが、ひと通りみるだけなら一時間ほどでも大丈夫ですので、鳥取を東西に車で移動する旅行者のかっこうの立ち寄り場所になるのではないでしょうか。

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コナンというからには謎です。

入り口にはあがさ博士のビートルが。定期的に黒幕説が取り沙汰されるあがさ博士ですが…ん? ナンバーが作中の「新宿500 ひ 164」ではなくて「少年サンデー570 あ 164」になってる…? 164で「ひろし = 博士」という説もありましたがなぜ微妙に違う…?

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館内に入ると、青山剛昌氏の小学校時代の学校の絵や、生い立ちなどの資料なども展示されています。学園祭のコスプレ衣装なども。いやこれは…。

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仕事場の再現もありました。また、初期の作品などもそろっていて、一貫して推理モノへの志向があったのだということがちゃんとわかります。

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コナンの作中で使われたトリックが実際に実行可能なのかという実物展示です。こちらはセロハンテープで鍵をしめて密室を作るトリックです。

荒唐無稽にみえるコナンのトリックですが、やはりある程度の裏付けがされたうえで採用されているというわけです。

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ゴールデンウィーク恒例となった劇場版の展示も。なんだか連載のペースをみていると、いま0歳の息子といずれ見に行くことになりそうな予感が(笑)。

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とりわけみていて楽しかったのはこちら。青山剛昌氏が年賀状につかったコナンのイラストや、北栄町の小学校、スポーツ大会などに応援のメッセージをイラストつきで送ったものの展示です。

これが惜しげもなく良い構図であったり、よい表情をしたキャラを描き送っているのが心温まります。やはりここは「ふるさと館」なんですね。

もっと謎を…!

入館して、展示についての簡単な質問に答えてゆくといただけるのがこちらのマイスター認定証。

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初級をクリアすると次回は中級に挑戦でき、かつ入館料が100円割引になる…というものです。

しかしですね…。

ちょっと気になったのは、なかなかここに複数回来るという人は(地元の人でも)少ない気がする点です。そして一度しか来られないなら、展示をみて質問に答えてゆくというよりも、もっと大きな謎に期待してしまうのです。

たとえば冒頭のあがさ博士のビートルのナンバーや、展示してある作品の並べ方、構図や見立てなど、ふるさと館自体がひとつの謎だと面白いのになと思いました。

というのも、そこに隠された暗号があると思うと解きたくなるのが子供心であり、大人心というものではないですか! そしてその謎は99%の人が解けなくてもいいので、ピースだけが眼前に揃っているというのがまたむきになってしまうポイントのような気がします。

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その代表例が、ラングレーのCIA本部に設置されたこの「クリプトス」です。

1990年の除幕以来、このモニュメントに隠された暗号を解こうという試みが続けられていますが、4つのうち3つまでしか解読は成功していません。ただ、クリプトスとその暗号に取り組む2000人以上の人々の長年の努力をみていると、「そこに謎がある」と思わせるだけでもそれは一つの成功なんだと思います。

現実の謎はピースがそろうとは限りませんし、ピースがピースであるとわからないことがほとんどです。だからこそわかりやすい娯楽としての推理小説という「仕掛け」は読者と作者の両方にとって楽しいわけです。

それは推理モノというしかけそのものが前提としている構図ともいえます。推理モノを開くからには、そこには殺人であれ、トリックであれ、謎がなくてはいけない。

はてはその構図をパロディ化したメタな推理モノまで生まれてしまうというのが、「フーコーの振り子」で見た現象でした。ここまでくると、何を謎とみるのかという観測者の視点こそが問題になります。

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思えば「名探偵コナン」や「金田一少年の事件簿」といった推理マンガ自体が、それまで推理小説という形で活字のなかに隠されていた謎を、テレビドラマとは違った形で映像のなかに埋め込んで楽しむ仕組みを作ってくれたわけで、これを楽しめる日本の読者は本当に幸せだと思います。

というわけでこのふるさと館にはもっと謎がほしい、と短い訪問のながら思ったのでした。

ただ、謎というものはそれを見定める目を必要としてます。あるいは僕が見落としているだけかも…。

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あの二つの煙突もなんだかあやしいと思えばあやしくなってくる…。

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「コナン大橋です」と紹介されたときにはすでに渡っていた「コナン大橋」街全体にコナンのピースが散りばめられています。やはりあやしい…。

青山剛昌ふるさと館は鳥取と米子をつなぐ国道9号にありますので、ドライブで旅をするかたはぜひお立ち寄りください。

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堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。

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