会津下郷の奇岩スポット「塔のへつり」と会津鉄道の撮影ポイント #福島美味 #会津下郷
会津下郷を観光で訪れる人にきっと最もよく知られているのが茅葺き屋根の宿場がそのまま残っている大内宿、湯野上温泉、そして「塔のへつり」でしょう。
「へつり」とは会津方言で川沿いの急峻な断崖のことを指す言葉で、凝灰岩や頁岩(けつがん)が互い違いに層になっている地形が川に侵食されたさまがいるさまが塔のようであることから呼ばれているそうです(正確に典拠を追えなかったので用調査)。
湯野上温泉まできたなら、ほんの少し足を伸ばしたところにありますので、立ち寄らないと損な場所です。
へつりに向かう急な坂の入り口の看板の横には、とてもインパクトのある「昔ここは海だった」という手がきの張り紙が。
「昔ここは海だった」というのは、日本列島が何億年か昔は海の底だったというレベルでなら海の底なのですが、「塔のへつりが」という意味でいっているとすると、それをいうならその周辺もみんな海の底でしたよという気が…。
実際、福島の地質は非常に歴史が古く複雑な来歴をもっていて、「塔のへつり」などは地質や地層が好きな人には楽しい場所でしょう。
吊り橋を渡ると、数百メートルにわたって川が侵食した奇岩が並んでいます。以前はこの崖にそって歩くことができたのですが、侵食が進んで道が崩落したために、いまでは通行が禁止されています。
それでも対岸のくぼみにできた祠と、奇岩のいりくんだ様をみるのは非現実的な感覚に襲われます。
ここにこうして祈りの場が設けられているのも、吊り橋を渡る手前が集落のある生活の空間、そしてこの対岸は宗教的な「異界」として扱われていたのではないかという推測ができます。
さて、私は塔のへつりを訪問したことが何度目かになるのですが、いつきても驚くのが岸壁にあるみやげ物屋です。
こちらは生きたマムシがペットボトルに詰められているもの。酒に漬けられているものや、スズメバチが漬けられているものもあります。何年もまえに来たときもまったく同じ光景でしたので、需要があるということですね…。
こちらでは大豆でできた「畑のお肉」のから揚げをいただきました。あっさりとしていて小腹がすいた時にもってこいの味です。こちらはちょっと炒めてカレーにいれたり、煮物に入れたりなど、応用範囲が広いのだとか。
塔のへつり駅と会津鉄道
今回の旅は車での移動でしたが、時間があったらぜひやってみたいのが会津鉄道でゆっくりとこの地方を横断する鉄道旅です。
会津若松、会津田島間を運行している臨時のトロッコ列車などは人気があるそうで、予約をとるのがたいへんそうです。
「塔のへつり」にも会津鉄道の駅が存在して、森の中のなかなか気持ちのいい場所になっています。このこけしだけは夜に見たくはないですが…。
「ちょうど鉄道が来そうですね」と案内してくださっていた方が気を利かせて下さり、第五大川橋梁を見渡せる橋の上に案内してくださいました。
参加しているブロガーがずらりとカメラをならべて橋梁をわたる瞬間を狙ったり、タイプラプス撮影を開始します。
待つこと数分。美しい橋梁の上を鉄道が通った瞬間をなんとか撮影できました(電線がじゃまだったので写真はLightroomで加工してあります)。
鉄道ファンでなくても、大川に反射する緑と橋梁の上を走る鉄道が見所のポイントですので時刻が近かったら電車をまちたい場所です。
さて、次は会津下郷に存在するちょっと隠れたスポット、中山風穴に立ち寄ります。