会津下郷の宿泊ポイント。湯野上温泉・星乃井は料理と毎日の宿ツアーが特色 #福島美味 #会津下郷
1日中おいしいものをいただいた会津下郷の旅、宿は湯野上温泉にある「星乃井」に案内いただきました。
実はこの湯野上温泉、私はずいぶん前に大学の気象学の観測で何度もきたことがあるのですが、険しい山から川の底に向かう真ん中にできた温泉宿というのが地形的になかなかスリリングで気に入っています。
「星乃井」は20ほどある旅館と民宿のうちの一つで、朝夜に行われているツアーが人気です。
星乃井の廊下はこのような感じ。屋内なのに、蔵から蔵に歩いているような錯覚を起こします。部屋もトイレもきれいでいい感じ。
また、斜面に作られていますので、館内に手すり付きの階段がありますが、階上の部屋に通されて窓をかけるとやはり一階という構造になっています。
温泉は源泉掛け流し。透明な弱アルカリ単純泉で、肌にやさしくゆっくりと入っていられるタイプの優しい温泉です。
旅館自慢の料理はまるごと一個のじゃがいもの煮物。とても柔らかく煮こまれていますので、箸で豆腐のようにくずして食べることができます。そして本当にこれがじゃがいもなんだろうかというくらいに甘い味わい。
こちらは今までに何度かでてきた「じゅうねん」(エゴマ)のうどん。お酒などをのんだあとに小腹が空いた際に食べるととてもほっこりと安心できそうな味。
下郷には豊かな水を用いた養鱒の施設もあるのですが、ここで育てたサーモンの燻製もいただきました。
偶然にも私たちが宿泊したこの日は、「星乃井」がテレビで紹介された当日で、宿の主人が放映の録画をみせてくださいました。
いま泊まっている宿に芸能人が宿泊して、さきほど自分が食べたじゃがいもの煮物とじゅうねんのうどんを食べている様子をテレビで見ているという、奇妙にメタな状況がこそばゆい感じでした。「なるほど、明日の朝食はこんな感じか!」テレビにはこういう楽しみ方もあるんですね(笑)。
「星乃井」に宿泊した際にぜひ参加したいのが、こちらで毎日行われている夜のツアーや、朝のツアーです。
朝のツアーは急峻な斜面を上って小野観音堂までいくコースで、早朝だと眼前に斜面とからみあう雲海がみえるところが「下郷のマチュピチュ」のようだという絶景です。
国道沿いだけを移動していると、ここがこれほどに急峻な地形であることを意識できないと思いますので、朝食前に早起きして行く価値はあるでしょう。
夜のツアーは季節によってホタルの観察や、星空ウォッチングや、さまざまに宿のご主人が企画しているそうです。
また、宿の近くには日本で唯一の茅葺き屋根の駅である「湯野上温泉駅」があります。待合室には虫の駆除のための囲炉裏もあり、旅情あふれる駅舎です。
駅舎の近くには渓谷を見下ろせる場所もあり、ここからは侵食からとりのこされた夫婦岩がみえます。写真ではなかなかスケールがわかりませんが、これで数十メートルの大きさです。
会津下郷は、北に会津若松、南に那須塩原があるので、通り道となってしまうことが多い気がしますが、ここで一泊をいれると会津のおいしいものをじっくりをいただけます。
湯野上温泉はその目的でも絶好のポジションにありますし、次のいくつかの記事で紹介する観光名所もありますので、会津旅行を検討している方は宿泊ポイントとして候補に加えておきましょう。