いよいよ近づくJasper(ジャスパー)の街。VIA鉄道の車窓からみる紅葉のカナディアンロッキー #アルバータ秋旅 #カナダ
個室に戻ってしばらく休んでいると、ゴトン、と列車が停車します。VIA鉄道の線路は単線になっており、荷物や石油を運ぶ貨物列車を優先させるためにこうしてところどころで停まるのです。
貨物列車は編成と貨物次第でいくらでも予定がずれてしまうため、VIA鉄道もその影響を多分に受けます。目的の駅に到着するのが数時間遅れることもまれではありませんので、「多少の予定変更も旅のうち」と笑顔でやり過ごせる余裕も大切です。## 昼食の最中にやってくるシャッターチャンス
車窓から外をみると、急に針葉樹と紅葉した白い幹の木が増えていることに気づきます。いよいよ標高が高くなり、カナディアンロッキーへと吸い込まれてゆくのです。
ほどなく列車は動き出し、今度は昼食の時間が近づいてきました。
VIA鉄道の昼食は11時と13時の交代制で、乗車したときに係員に希望の時間を告げて整理券を受け取っておきます。
ちょっと早いようですが、ここでも11時の昼食を予約しておくと、午後の展望車両の座席を確保しやすくなりますのでおすすめです。また、後述する通り、席はなるべく右側に座れるように、早めに食堂車に移動しておくとよいでしょう。
昼食はこの日はチリソースのスープに、メインがターキーのサンドイッチか、エビと帆立、シトラスサラダ、グリルチキンのラヴィオリという選択肢がありました。
スープにビスケットをいれていただくと酸味のある味に俄然食欲がわいてきます。
メインは海老と帆立に、野菜とポテトサラダの盛り合わせをいただきました。レモンを絞って、少々コショウをふりかけると、帆立の味がじわりと深まります。
この日はこの食事の最中に「熊が左側にいます」というアナウンスが入り、左側いた人々は一瞬だけその姿をとらえることができたようです。
先頭を行く運転手はこのように動物などがいた際に乗客にアナウンスをしてくれるのですが、一瞬のうちに通過しますのでみることができるかは運次第です。
野生動物との出会いと違って、予定された見所ポイントもあります。ちょうど昼食前後に通過するため、右側にいたほうがよいのが、こちらのピラミッド・フォールズ(Pyramid Creek Falls)です。
ブルーリバーとバルマウントの街の中間に位置するこの滝は約100mの段々になった崖を大きく2段に分かれて落ちてきます。
付近を通過する高速道路からもみえず、北トンプソン川を船でわたらなければ見ることができないこの滝は、VIA鉄道ならではの楽しみポイントです。
パノラマ展望車で風景を俯瞰する
さて、昼食を終えた私たちは狭い通路を渡り歩き、10両もうしろにある最後尾のパノラマ展望車両まで行ってみました。
パノラマ車両は何台かあるものの、ここはあの出発の際にみた印象的な最後尾の車両です。階段をあがり、列車の上に突き出た空間に座ると360度の風景を楽しむことができます。
見上げればこのように次第に色づくカナディアンロッキーの森林も仰ぎ見ることができます。
バルマウント、つまりは「山あいの谷間の街」という意味の街を通過すると、列車は大きなカーブを描いて東向きのコースをとります。
そして正面にロブソン山国立公園の名前の由来になったロブソン山が見えてきます。
このあたりで天気は急変して叩きつける雨に。しかしあっというまに降り止んで、窓ガラスの水滴もみるみる乾いていきます。カナディアンロッキーの変わりやすい天気との初めての出会いです。
ロブソン山は鉄道に対して左側、そして今度は鉄道に対して右側にやってくるのが、信じられないほど真っ青な色をしたムース湖(Moose Lake)です。夏場に緑や青色の藻類が発生するものの、地元では釣りなどで賑わう小さな湖なのだそうです。
そしてこの湖を越えると、州の境を越え、ついにアルバータ州に到着です!
Jasper駅に到着
ここで驚きがあったのは、バンクーバーからだいぶ東に移動したため、時間帯の変更があったことです。新しい時間帯は時計が一時間進むため、また午後4時の到着まで2時間以上あると思っていたのが、1時間ほどに短くなります。
サマータイムなどの時間にもよりますが、この季節は昼食が終わったなら、早めに荷物はまとめておかなければいけないわけですね。
頂上に突き出たゴンドラ駅がみえるウィスラー山が見えてきたなら、最初の停車駅、Jasper(ジャスパー)はもうすぐです。
停車し、自分で荷物を持っております。ゆうに20時間の鉄道の旅でしたが、あっという間でした。バンフ国立公園に向かう人など、大勢の客が私たちと同じようにここで下車します。
そして乗車したままの客は、さらに数日をかけてトロントなどに向かうのです。
というわけでアルバータ州の最初の目的地、Jasper (ジャスパー)に到着しました。
ここからはガイドのかたと合流し、車をつかって一路南へと進みます。ジャスパーとバンフ国立公園を結ぶ、アイスフィールド・パークウェイの旅の始まりです。
今回のアルバータ州訪問レポートについて
アルバータ州観光公社の依頼を受けたネタフルのコグレマサトさん(@kogure)のお誘いで参加しています。アルバータ州観光公社には渡航費、宿泊、現地での案内をお世話していただいています。記事の内容はすべて私(@mehori)の見たまま、感じたままに書かせていただいています。Thank you Alberta!