ジャスパーの町のシンボル、蒸気機関車CN6015号 #アルバータ秋旅 #カナダ #MyJasper
ジャスパー駅の目の前に威容を放っている機関車があります。
知らずに通り過ぎると「へえ、機関車か」というくらいの印象しかのこさないかもしれませんが、これこそがカナダの開拓と発展に一時代を築いた、カナディアン・ナショナル鉄道(Canadian National)の4-8-2型山岳用蒸気機関車、CN6015号です。
かつてこの機関車はわたしたちが乗ったVIA鉄道と同様の道のりを、膨大な貨物と人を乗せて走りました。そしてそれはカナダの開拓を大きく牽引したのです。
興味がわいたので調べてみたところ、4-8-2 型という呼称は、前方から小さな先頭車輪が4つ、メインの大車輪が8つ、そして後方車輪が2つという構成からきているそうです。
絵本の機関車トーマスに出てくる「機関車ゴードン」が4-6-2として描かれているのよりもさらにメイン車輪が2つ増えていて、これは山道でも多くの車両を牽引できるようにしてあるわけです。
この堂々たる車輪の迫力といったら!直径にして1.854m。この大きさを頭にいれて上の写真を見返していただけると、この巨大さが伝わるかと思います。
私の身長との比較画像はコグレさんがネタフルの記事で紹介してくださっていますが、本当に巨大な機関車です。
全長27m、炭水車を含めた重さは273トン。1923年に同型の機関車が16台作られて以来、1962まで使用されました。この化け物クラスの機関車がロッキーを越えるには10000ガロンの水、17トンの石炭が必要だったそうです。
ところで、この6015号の姉妹型、「ブリット・ノーズ・ベティ」(Bullet Nose Betty)の愛称で知られる 6060 号は何度もの修復をへて、現在も現役というから驚きです。
ジャスパー、バンフなどの山間の町を訪ねていると、レストランの壁、ホールの一角などに20世紀前半の頃の写真や、そのころのポスター、絵画などが飾られているのをよくみます。そしてそのなかに、機関車がテーマとなっていることがよくあるのです。
カナダ、アルバータ州のルーツは交易にあります。そしてその歴史は、機関車の存在抜きには語れないのです。
ジャスパーの駅前で、在りし日を夢見るように佇んでいる6015号車を見たら、ぜひこの過ぎ去った時代のことを思い出してあげて下さい。
今回のアルバータ州訪問レポートについて
アルバータ州観光公社の依頼を受けたネタフルのコグレマサトさん(@kogure)のお誘いで参加しています。アルバータ州観光公社には渡航費、宿泊、現地での案内をお世話していただいています。記事の内容はすべて私(@mehori)の見たまま、感じたままに書かせていただいています。Thank you Alberta!