船で陸攻め!? 横浜のディープな一面がみられる掘割川・中村川ルートの魅力
ヤマハ発動機・アジャイルメディアネットワークの主催で行われた「ヤマハ発動機 ブロガーマリン体験会」に先日参加してきました。
東京湾のマリンレジャーの紹介のイベントで、第2弾となる今回は横浜がターゲットです。
横浜にもいくつか船を出すことができるマリーナがありますが、今回出発するのは三井アウトレットパークに隣接した横浜ベイサイドマリーナです。
ここからは何度か出港したことがあったのですが、当日になってヤマハの担当者にきかされたルートは驚きました。
「今日は、陸側からみなとみらいに行きます」なんと!## 人工の川、掘割川をゆく
横浜ベイサイドマリーナは、みなとみらいからみて岬1つ分南側にあります。みなとみらいにいくには水路をぬけて北にまわらないといけないのですが、逆に「陸側」というのは、川をぬけてゆくというルートです。
根岸湾に面した南横浜火力発電所の横に、掘割川という明治に作られた人工の川があります。ここをさかのぼると、みなとみらい側にぬけることができるというわけです。
さて、当日はあやしい空模様だったのですが、乗船中はなんとか天気がもたないかなと希望を持ちつつ横浜ベイサイドマリーナへ。
しかし願いはむなしく、出港と同時に雨が降り始めてしまいました。けっこうな大粒!4ミリほどの雨で、町中をあるいているぶんには傘で十分でも、船のうえでは傘はさせません。一気に濡れてしまいましたが、これも海の楽しみの一部です。
雨なので、発電所もまるでモンサンミッシェルのようなシルエットだけにみえます。ベイサイドマリーナで免許を取る際には、あの煙突を目印に操船をするのです。
発電所の右側をすりぬけて、未知の領域、掘割川の河口にやってきます。これが人工の川だとは、知りませんでした。
掘割川の河口付近には艀を整備している味な造船ドックが。陸にいると、造船所があるといわれてもこうしたものものしい素顔はなかなかみえません。川をゆくひとだけが楽しめる都市の死角の姿なのです。
首都高速をくぐり、次に並走しているJR根岸線の橋をくぐろうとすると、ちょうど根岸線が通過しました。川から見る鉄道、鉄道ファンでもこのアングルはなかなかないですよね。
さて、こちらが掘割川。地元に住んでいる人なら、磯子の国道16号の交差点から横須賀街道にそった川といえばわかる、馴染みの風景です。
でも川からみるのは初めてで、とても新鮮でした。こちらにはかつての造船所、ヘルムドックの水門跡もあるそうなのですが、厳しい雨で見逃してしまいました。
掘割川はいくつもの橋がありますが、満潮が近づくと小型船でもくぐるのが危ないので注意しながら船をすすめます。
中村川へ合流。美人の橋に出会う
行き止まりまでゆくと、ここで中村川と合流。頭上を走っているのは首都高速3号狩場線です。
高速道路の下になるとちょっと一息。雨からしばらく隠れることができて、周りを見る余裕がでてきます。
今回一番の橋はこちら。現在、日本最古のピン結合のトラス橋である浦舟水道橋です。
ピン結合とは、橋の部材同士が一本のボルトで接合されている作り方で、接合部分が動かないものの、回転はするという作りをしています。こうした工法は明治中後期にしかなかったため、いまではとてもめずらしいものだそうです。
それをおいても、なんとも美人な橋ではないですか? 一目見ただけで、あ、この橋は違うとわかる特色が感じられます。次はまた晴れた日に堪能しにいきたいですね。
こちらは中村川で有名な不法係留の船。最も有名だった「船の休憩室・北斗星」がいまは撤去されてないので、いまはこちらが最も威容を放っています。
このルートだと、川から中華街の入り口を見ることが可能ですが、このあたりで操船をかわっていただき、本牧埠頭の水路を越えてベイサイドマリーナに帰ってきました。
マリーナはマリンスポーツを楽しむ人も多いのでシャワールームが完備しています。雨にそなえて着替えを用意しておいた私はすぐにシャワーを浴びて着替えてしまいました。雨で下着まで濡れていたとしても、港に帰ればリセットできるわけです。
冬に免許を取ろう
さて、今回は短い船の旅だったのですが、これだけでも船からしか見ることができない都会の楽しみ方ができるのが、やはりボートの魅力です。
私は2級の小型船舶操縦士免許をもっているのですが、ペーパーテストと操船の講習をうけて、あとは2週間ほど試験勉強をしたうえで試験にのぞめばたいていは免許がとれてしまう(つまりは、基本を学んだら、実地に学びなさいというスタンス)のが船の免許です。
ただこの免許、繁忙期である暖かい季節だとなかなか免許をとるための日程を確保するのが大変になります。混んでいるんですね。
なのでおすすめなのが:
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ヤマハが提供しているスマートフォン、タブレット、PCで講習を受けられる「スマ免」を利用して講習を自宅でおこなう
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実技と試験は冬におこなうことで空いている時期を狙う
というものです。ちょっと寒いのですが、実際に船のうえにいる時間はそんなに長いわけではありませんし、雨が降っていなければぬれる作業をようきゅうされるわけでもありません。
今回参加されたブロガーのなかにも、これを機会に春までの期間に免許をとってみようかと考えている人がいるみたいでした。
「スマ免」については、私が免許をとったときにはまだなかったサービスですので、こちらは可能であればヤマハのかたにお願いして体験受講ができないか頼んでみようかと思います。
意外に楽で、楽しみ方はどんどんとひろがる船の世界。試してみてはいかがでしょうか。