福島の厳選した日本酒と食が代官山と二子玉川へ。週末は「福島のおいしいものフェア」にどうぞ #福島美味
福島の厳選されたグルメと出会えるイベントが今週と来週東京へ!
今週末、11月28日と29日は代官山T-SITE GARDEN GALLERYで、12月5日と6日は二子玉川ライズで、「福島の美味しいもの ベストキュレーションフェア」が開催されます。
ライフ×メモは2013年に郡山・福島のブロガーツアーに、2014年には会津下郷ブロガーツアーに参加して、福島の食を紹介してきましたが、その縁もありまして今回のイベントのレセプションにご招待いただきました。
もし足を伸ばせるなら、これとこれだけは買いだ!という品をご紹介したいと思います。
厳選された日本酒と食材を、その場で買える
こうしたブロガーツアーの記事を書いていて困ったのが、美味しいのだけど、今すぐ読者のみなさんにお届けするにはどうしたものか? という点です。今回のイベントは、少なくとも東京圏にいらっしゃるかたにはアクセスしやすく、入手しやすいので、ぜひ足をはこんでいただきたいと思ってます。
今週末の会場は代官山蔦屋書店の奥、T-SITE Garden Gallery です。文化の発信地から福島のグルメを、というのは面白いですし、どこから聞きつけたのかワークショップ類はすべて完売となっています…(二子玉川のほうは現時点でまだ空きがあるようです)。おそるべし。
レセプションは専用の升で乾杯。今回代官山の二日間では「利き酒BAR『福・島・美・味』」が開店し、若手利き酒師が選んだ日本酒を意外なつまみとともに提供するとのこと。
今回いただいたのは、左上から時計回りに福島の自然酒、snowdrop、磐城壽純米吟醸、廣戸川特別純米の4種です。利酒師によれば日本酒も最近はこうしてグラスを変えて香りの変化を楽しむのが始まっていて、ワイングラスを使う人も多いのだとか。
特に香りで「これは」と思ったのが廣戸川と磐城壽。両方とも切れ味や辛さよりも、ねっとりとまろやかな、甘い口当たりが特徴的でとても優しい日本酒。これは初めてのひとにもすすめやすい。聞いてみたら、廣戸川が常温でも味と香りが開いて美味しいのに大して、磐城壽は少し冷やしたほうが舌の上で味が引き立つのだとか。
つまみとして登場したのが、意外な品々。北塩原の温泉水から炊き上げた山塩、喜多方の大豆3.5倍でつくった三十五割みそ「とよきち」、64度でゆっくりと調理した日本キジのグリエ、いわき市のソウルフードのしそ巻きに、伊達市の紅葉漬です。おい、御飯はどこだ。御飯をもってこい。
そしてこちらも意外な、矢大臣うどんで創ったボロネーゼ。うどんとしてはすこし地味な分、先だってはカルボナーラでもいただいて何杯でもおかわりできるうどんパスタです。
イベントではこうしたつまみや、日本酒の試飲のコーナーも設けられているそうです。
生産者を知ってほしい
こうしたイベントもいいのですが、やはり広く知ってほしいのはこの福島美味プロジェクトに参加している生産者のみなさんです。福島の食は安全。これはもう常識になったと思うのですが、まだまだ知名度ではもうひと頑張りできると思います。
たとえば現在急成長中の金子牧場さん。ブロガーツアーの際には時間に遅れてやってきた私たちを「お、バターができたところです」とペットボトルでしぼりたての牛乳を振りながら迎えてくださったのが忘れられません。あのとうもろこしとじゃがいものためだけにもう一度行きたい…。
金子牧場の製品は生産が追いつかないほどの人気で、牧場でのチーズ作りの体験やピザ作りの体験コースといったアクティビティも最近は都会から大勢ひとがいらっしゃるそうです。今回のイベントではヨーグルトを出品されていますが、濃厚でふだんのヨーグルトに戻れなくなるほどです。
今回はグルメだけではなく、浪江町の陶芸家、近藤学氏の酒器なども展示、販売されています。先ほどグラスの話がでましたが、こちらの薄い杯でいただくと舌の上でお酒のあたる場所が変わり、味わいがまた別のものになるんですね。
福島のトマトジュースについてはすでに記事にしていますが、今回はその瓶詰めも販売されています。これ、見た目からしてインパクトありますよね。
売店で絶対におすすめしたいのが、こちら「クリームチーズのみそ漬け」。そのままでもお酒のつまみになりますし、クラッカーなどに挟んでも美味しい。パーティーメニューに出して、「これ…味噌なんだぜ」というのはいいネタになりそう。これが本当に美味しいんです。
また、いうまでもないくらいですが、「阿武隈の紅葉漬」。御飯につければ何杯でもいけてしまいます。
ネタフルのコグレさんが、福島の食のキーワードは「発酵」ですね、と記事にされていましたが、その力が結集している感があります。「発酵の国」福島のこれらの製品は、取り寄せも可能なものが多いので、イベントで試食して気に入ったら、ぜひリピーターになっていただけると、生産者のみなさんも嬉しいと思います。
福島の食のブランディング。今後について
とても楽しいレセプションにお呼びいただき、感謝しているのですが、はたして福島の食を広める上で、このままでいいのだろうかという気持ちもわきおこってきたイベントであったことも付記しないといけません。イベント自体は絶対におすすめなのですが、これ、ほんとうに元がとれているのかな…。
PRのため、というとそれで納得しそうになるのですが、それなら次の購買にむけた導線とさらなる拡散の手が打ってあるようじゃないといけません。
たとえば、現時点で Google で「福島 食」「福島 グルメ」で検索しても、今回の主催者である福島美味プロジェクトはみあたりません。いったい、どこから、どのように人はこのイベントを発見し、福島の食のリピーターになるのでしょう。
よしんばこのホームページをみつけたとしても、ここからは直接購入ができません。オンラインショップがないからです。自分で探すこともできますが、ハードル高いという印象は否めません。厳しいことをいいますが、これは「福島美味」のブランディングであって、「福島の食」のブランディングになっているのかどうか。
うかがうと、日本酒も販売がなかなか難しい品なのだそうです。生産地、銘柄、品種などといった区分それぞれにファンがいて体系だったブランディングが確立しているワインやビールと違って、日本酒には一個人が「どこ」の「どれ」を選べばいいのかわかりやすい入り口が見えづらい気がします。そうすると、人気製品に人気が集まる傾向がうまれ、それは発見とは程遠い力学になるのです。
一人の発見が多くの人の発見に、一人のファンが、多くのファンに成長する。その導線はまだまだ練り込める気がします。ものはいいのですから。
まずは発見すること、言葉をみつけてゆくこと
ブロガーツアーに参加した時などは、なるべく「美味しい」「すごい」で済ますことなく、現地で出会った食を、固有な言葉で表現できないかということをいつも気にかけています。
それにいつも成功しているとは限らないのですが、「土地」「人」「食」の交点には必ず、その本質を表現する言葉があるはず。それを見つけるのがブロガーという、ライターでも広告の人でもない境界にいる人間の特徴ではないかと思ってます。
福島の食、あるいは福島そのものをあらわす言葉はまだまだ未開拓の部分がたくさんあるはずです。これからも、なるべく現地にいって、そうした発見を言葉で表現できれば、あるいはそれが長期的な福島の支援になるのでは。
ちょっと手前味噌ですが、そんなことも考えながら帰ったのでした。ご招待いただきました福島美味プロジェクト、福島商工会連合会のみなさま、ありがとうございました。