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サンフランシスコのNiantic Inc.訪問。川島さんの目はキラキラしていた!

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最初におことわりしなければいけません。

昨年の年末、数人のエージェントとともに、おそらくパートナー企業さんなど以外では日本人として初めて? 米 Niantic Inc. を訪問したのですが、スクープというのか、みなさんがすでにご存知ではない情報は一切ありません。

そのかわり、もっとわくわくするものを見ることができましたので、それについて書きたいと思います。

あなたは誘われているのです。すでに動き出している人も、まだ動き出していない人にも。 Niantic は呼びかけているのです。さあ、It’s time to move. と。

サンフランシスコ某所、Niantic Inc. に潜入する

私は年末、サンフランシスコに本業の国際会議に出席するために訪問していたのですが、Mission Day 横須賀で作成したスタッフTシャツを Nianticの川島さんと、ジョン・ハンケさんのために届けるために立ち寄らせていただきました。

どうせならということで、地元の日本人エージェント2名に、いまは米国に滞在中の inuro 氏らも合流してENL2人にRES2人で訪問となりました。みなさんガチ勢です。

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オフィスにはどんな秘密のものがあるかわかりませんので、撮影させていただいたのはこちらの応接室だけ。それにしても大きなイングレスロゴが飾ってありますね。オフィスにはそこら中にポケモンのマスコットが飾られていました。ゲットだぜ!(していません)

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壁に飾ってあったのはFieldtripと、Ingressのコンセプトを封じたイメージパネルです。む、5名の人物のサインがありますが、左上がハンケさんですね。ハンケさんはこの日たまたまミーティング中でお会いできませんでしたが、また機会があったら以前のインタビューの先に踏み込んだ話を聞いてみたいものです。

あれ? Endgameはないのかな。というより、あまりニュースが聞こえてこないけどまさか開発が止まっているなんてことは…とさりげなく川島さんに聞いてみると、笑顔で「鋭意開発中です」という答えが返ってきました。これは本当に適切にやるべきことをやって、リリースすべき時にリリースするのだという印象です。

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訪問したのはスターウォーズの最新作が公開される直前の週でしたので、オフィスにはこんなものも。

感じるか? フォースが覚醒したのを。ダークサイド(ヨーク・ペパーメントパティのチョコ)とライトサイド(キャラメル・トゥイクス)とが。私の頭を開くとキャンディがあるぞ

ベーダー卿ー!

こういうところが、典型的なアメリカのオフィスです。いろいろ手がけている Niantic Inc. ですが、全世界でみてもスタッフは40名ほどしかいないのでは?とのこと。しかしそれも現時点での話で、週が変わると人数が変わるくらいのスピード感で新しいスタッフが雇われているそうです。

ゆるやかに変わるイングレス。さらに多くのエージェントを

川島さんとは沖縄やオークランドで行われた直近の XM アノマリー Abaddon の感想や、世界をまたにかけたサービスを運営する上での苦労話をいくつか聞くことができました。

ほかのインタビューでも語られていますが、イングレスではなるべく運営である Niantic が直接介入することをさけて、なにか方向性を作りたい場合はゆるやかなルールの更新でエージェントをその方向に促すことをしているそうです。

たとえばアノマリー時に、フィールドに大量のポータルキーが散乱するとサーバー負荷につながるのですが、これを「負荷につながるのでやめてください」という言葉で表現してしまうと、それをルールと捉えて真面目に守る人と、まだそうした情報を知らない人の間に無用な軋轢が生まれます。

そこで、そうした指導的な方法をとらずにキーをリサイクルした場合のXMを500に変更しただけで、自然にキーをドロップする人が少なくなって、リサイクルする人が増えたそうです。こうして実際に動くエージェントたちの行動によってイングレス自体も変化してゆくのです。

また重要なのがやはり新規のエージェントをどうやって集めるかという課題です。すでにやり込んでいるエージェントを疎外することなく、より多くの人に親しみやすく、入りやすくするにはどうすればいいのか。ここにもよりチームプレイを奨励する施策をとりいれたり、新規の人がレベルアップしやすくする仕組みをつくるなど、さまざまな案が検討されているようです。

ぜひ、Niantic の手腕に期待したいと思います。

ポケモン Go の話になると、川島さんの目が輝きだした

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さて、この数年はイングレスが大きな話題でしたが、Niantic Inc. にとってもちろん2016最大の山はポケモンGoのリリースです。

スクープを取りに訪問したわけではありませんので、カジュアルに川島さんに「開発どうですか」「はい、頑張ってます」という具合に話していただけなのですが、ポケモンGoの話になった途端に川島さんの目がきらめき始めて、一刻も早くこのゲームで遊びたいと思っている少年のそれになったのが私の心を打ちました。

こんな風にポケモンが現実の世界にいてね、こんな風に捕まえてですね、と語る姿はもう完全に川島少年です。

日本にいるブログ「みたいもん!」のいしたにまさきさん(@masakiishitani)に「川島さんの目がキラキラしてましたよ」とメッセージを入れると、「ああそれ、イングレスを作っていた時の川島さんと同じだね(笑)」と返事が返ってきました。

私はポケモンにハマらなかった人なので、ポケモン第一世代にも、第二世代にもつながりがないのですが、こんなに楽しそうな川島さんを見ていると俄然興味が出てきました。

そうか、こうやって、イングレスから入った人が、初めてポケモンの世界に入ってゆく導線もあるんですね。これはリリースが楽しみです。

Niantic Inc. が目指す、位置情報プラットフォーム

もっと視点を広く、Niantic Inc. という、Googleから独立したスタートアップ企業の未来に向けてみましょう。

Darsanaが開催される少し前、とある雑誌の記事のために川島さんにインタビューをしたことがありました。

そのときは「日本人なら誰でも知っているゲームタイトルとのコラボを進めているんですよ」とほのめかされて、ドラゴンクエストだろうか、ファイナルファンタジーかしらと想像していたのですが、いまにして思うとそれは推理が浅すぎました。

地図の上のゲームだから、RPG的な何かだろうかと考えたのですが、それではせっかくの現実世界という最高のフィールドを活かせないのです。それでポケモンGoが発表された時には膝を打ちました。そうか、そりゃそうだ!と。

ひとことでいうと、**「現実を置き換えてはいけない」**のです。

現実の上にさらにすてきな何かを情報のレイヤーとして重ねるところに面白さが生まれ、現実が想像力と結びついてさらに輝き出す。それが Niantic Inc. のゲームがもっている魔法です。川島さんの目の輝きは、それを反射しているのです。

考えてみればこれは、今までのゲームがグラフィックを磨き、シナリオとシステムを練り、よりプレイヤーを「ここではないどこか別の場所」に導こうとしたのとまったく異なるゲームのあり方です。

Niantic Inc. の生み出すものは現実の外には出ません。現実をさらに素晴らしくし、プレイヤーをコミュニティの輪の中に引き入れようとします。

しかも、イングレス、Fieldtrip、Endgame、ポケモンGo、そしてきっとこれからやってくるゲーム以外のサービスは、すべて同じ位置情報プラットフォームの上に構築されています。

これは新しいゲームやサービスを構築しやすいことと、ゲーム間、サービス間の行き来さえも可能だということです。

このあたりは完全に私の妄想ですが、イングレスのXMアノマリーイベントに、ポケモンGoの珍しいポケモンが出現するイベントをぶつけて親子で参加したり、あるいは、エージェントとポケモンハンターがタッグを組んでミッションを完遂するなんてことだって可能ですし、きっとあるのではないでしょうか。

これまであるゲームをプレイすることが他者を拒絶する方向に働いていたのが、親子の絆になったり、大人も子供も参加するチームをつくるきっかけになったりする。それはぜひ見てみたい未来です。

どうでしょう? 新しい情報でもなんでもないのですが、なんだかわくわくしないでしょうか? 川島さんの目の輝きが、あなたにもみえますか?

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というわけで、忙しいなか Niantic Inc. への訪問を調整してくださった川島さん、ありがとうございました! ポケモンGoがリリースされたら、私もすぐに飛び出して探しに行こうと思います。あの曲がり角の先へいけば見つかるだろう、きっと素晴らしい何かを。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。

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