製作と乗り物の「手応え」を与えてくれたワンダードライビングフェスティバル
先日の記事でも紹介していました、乗り物とホビーの体感イベント「ワンダードライビングフェスティバル」が2月14日に無事開催されました。
第一回ということで、すべてが手探りだったと思うのですが、蓋を開けてみれば来場者はみんなまっしぐらに自分の目的としているコーナーに向かって突進してゆくところが印象的な、熱いイベントになりました。
現場の雰囲気を写真と解説でご紹介したいと思います。ほら、やはり工作して、何かを走らせたくなってくるでしょう?
目当てはラジコン? それともミニ四駆? みんなが答えを知っている
会場となったのは、もともとは学校だった施設をそのまま使った「アーツ千代田3331」の体育館。天気が荒れ模様だったにもかかわらず、多くの人は開場直後からやってきていました。
こちらは物販コーナー。現場でミニ四駆を購入して、その場で組むことができるように工具がそろったスペースがあり、私も家族と一緒にこちらで初めてのミニ四駆製作にとりかかりました。
はじめは子供たちを喜ばせるためにやっているのですが、「ここはちゃんとケバをとって…」「ここのグリスはもっとしっかりと…」という具合に、だんだん大人が本気になってきます。
子供にニッパーの使い方を教え、デカールを一緒に貼りながら、難しい部分は協力しつつ2時間ほどかけてようやく完成です。子供たちも、一つの模型を最初から最後まで組むという体験は初めてだったので、ずっと集中していたのが親としては嬉しいひとときでした。
開場は大きく分けて、ミニ四駆のコーナー、ラジコン、そして乗り物体験コーナーにわかれているのですが、どこをみても似たような光景が広がっています。
子供の夢中と、大人の本気が一つになっていて、おかしな空気なんです(笑)
真剣そのものの企業別ミニ四駆レース
イベントのメインイベントは、中央サーキットで行われた企業別のミニ四駆対抗戦です。
ミニ四駆について何も知らない私は真剣にチューニングをしては試験走行を繰り返している一団を横目に、「チューニングっていっても、そんなに変わるものなのだろうか…」などと思っていたのですが、そんな失礼なことを考えているうちにもコースアウトを繰り返していたマシンが次第に安定してくるのは驚きました。
参加している企業のみなさん。この日を楽しみにマシンを組み上げてきたのがよくわかります。こういう楽しみがあるというのも、イベントに来ないとわからないわけで大きな収穫でした。
レースの様子は野間さんらによってリアルタイムで配信されました。バックもワンドラ仕様で本格的。
ドローン展示、IoT工作コーナー、企業ブースなど
イベントのもう一つの目玉は、さまざまな企業による展示でした。
場所の関係上自由に飛ばすことはできなかったものの、壇上で力強い風を巻き起こして浮遊するのは撮影用の業務用ドローン DJI S1000+ です。これを見られただけで大満足。
また、こちらはヤマハ製の電動バイク E-Vino。これで電動なのか!
「下町ボブスレープロジェクトチーム」が製作に携わったモビリティ「nbike」。
一つだけ異色のブース、常石造船ではペーパークラフトを配布していました。こちら、ちょっと不思議すぎるので、また別記事で。
本当の収穫は、言葉にならない「作る」と「動かす」の間にあるもの
楽しいイベントはあっという間に過ぎていき、子供たちもとても満足して帰路につきました。しかし、本当のところ、なぜこんなに楽しかったのだろうかというのは、もう少し、言葉にしないといけない気がします。
今回の開場では先ほど紹介したミニ四駆だけでなく、Cerevo, DMM.make AKIBAの協賛によるIoTミニ四駆製作のコーナーもあるなど、手ぶらでいったら、本気で模型製作に取り組むことができるコーナーがありました。
ここで、普段から模型慣れしている人も、久しぶりだという人も、初めての子供も、皆の真剣な眼差しがとても印象に残ったのです。
これは、単に「模型を触ったら楽しかった」という以上の、なにか最近では忘れていた感覚と触れ合えた瞬間でもあったきがします。
製作は、最後までやり通さなくては、動く成果を手にできません。完成したものは、やはりどこかに個性やあらが残っていて、どれ一つとして同じものがありません。動かすのも、すぐに上手にいくわけではありません。
失敗し、調整し、試し、修正して、それでもどこかに割り切れない何かが残る。そのすべてを総称して「手応え」が残るといってもいいでしょう。
ダウンロードして、タップすれば誰でも同じものが手に入るデジタルな世界とは違って、製作と操縦の世界はどこまでも「手応え」の世界です。
それこそが「作る」と「動かす」の間にある、思い通りにはならない、だからこそ楽しい世界の扉といっていいでしょう。
そうした乗り物の手応えを与えてくれる「ワンダードライビングフェスティバル」は、今後も第二回、第三回の開催を目指しているそうです。
なかなかこうした体感型のホビーを楽しむ場が少なくなっている今、今後の開催に期待したいと思います!